toilet_clogging
「うーん…」私はトイレの便器を睨みつけながら途方にくれてしまった。最近トイレの流れが悪いなと思ってはいたけれど、またこんな事態になってしまうなんて。しかもよりによって大きい方だというのに、まだそこに見えているというのに、ちゃんと流れていかない。こういう場合って、もう一度コックをひねってしまってもいいのだろうか。過去の経験からすると、こういう場合、ビクビクしながら水を流してみると、案外簡単に流れていったような…ええい、ままよ!思い切りコックをひねると、便器の中の水位が上がってきた。そうそう、こんな感じで水位が上がって、それから一気に水位が下がるはず…なのに、ええええぇぇぇーーーーっっっ!下がらないのっ!?ヤバイヨヤバイヨ(出川状態)と言っている間に、とうとう津波が起こってしまったのである。とりあえず私は汚物だらけの汚水から必死に逃げたのだが…。

今日家族は誰もいない。今日は両親とも遅くなると言っていたし、姉も彼氏の家に泊まりに行っているから戻ってこないだろう。ど、ど、どうしよう…。とりあえずこの汚物をなんとかしなくちゃ。新聞紙とありったけの雑巾と古くなったタオルをかき集め、処理を始めた。それにしても、おえっ!自分のだけど、おえっ!きったねーっ!私から出る言葉も汚物並に汚くなってくる。なんで青春まっただ中の土曜昼下がりに、家で自分の汚物の処理しなきゃいけないんだろう…。彼氏でもいりゃー今頃デートしてこんな思いしなくて済んだのに、こんちくしょー!怒りの行き場を失って、変な方向に悪態をついてしまう。とりあえず便器の周りだけは綺麗にしたけれど、まだトイレは明らかに詰まっている状態だ。どうにもできない。こんなときに限って電話は誰もつながらないし。はー何やってんだろうなー。詰まった便器の前で途方に暮れる、18歳、夏の出来事だった。